生まれてから生後1か月までの間を「新生児期」といいます。子宮での水中生活から大気中へ。赤ちゃんは、一生懸命新しい環境に自分を適応させていこうとしています。

体重

順調に育っているか目安になる体重は、生後1週間ほどで、退院後1週間で200gから300g増えていきます。体重増加は1日25~50gと、赤ちゃんによって幅があり、毎日同じだけ増えるわけではありません。

母乳(ミルク)

母乳の出が安定するまで、人によって2週間ぐらいかかることもあります。また赤ちゃんもまだおっぱいの吸いつきが弱かったり、上手に飲めなかったりします。体重がそこそこ増えているなら、あきらめず、あせらず、「お腹がすいて、欲しがっているときに、おっぱいをあげる」を続けましょう。

頑張っているけど母乳がなかなか出ないという人は、ミルクを足すのも一つです。ミルクをあげるときは、母乳をあげるときと同じように、目を見つめながら愛情をたっぷり注いであげましょう。おっぱいの出のよしあしは体質にもよるようですが、1カ月過ぎたころからよく出るようになったというケースもよくあります。すぐにあきらめずに、出来る限り努力しておっぱいを飲ませてあげましょう。乳房マッサージもおっぱいの出をよくする効果があるので、根気よく続けましょう

混合栄養の方法

おっぱいを補う方法はいくつかあります。自分に合ったやり方をしましょう

①最初におっぱい、あとミルク

まずはおっぱいを飲ませ、足りない分をミルクで補うようにします。初めのころは、おっぱいの後ミルクを欲しがるだけ上げる方法でいいでしょう。

②おっぱいとミルクを交互に

例えば、3時間おきに授乳させるとすると、朝6時におっぱい、9時にミルク、正午におっぱい、、3時にミルクというように、交互に飲ませます。授乳時間になった時の、おっぱいの張り具合によって、毎回おっぱいか、交互にするか決めるといいと思います。

③夕方、ミルクをプラス

一般的に、おっぱいの出は夕方になると少なくなるので、午前中はおっぱいだけにし、午後はおっぱいとミルクを併用する方法があります。

げっぷ、しゃっくり

母乳の赤ちゃんはあまり空気を飲み込まないので、げっぷはあまり出ないことが多く、「うちの子はげっぷがへた」と感じるお母さんもいます。また「よく吐く」という心配も多いですが、寝かせた時にげっぷといっよに出る、おむつ替えの時におなかを触れたら出る、というのなら大きな心配はありません。しゃっくりも成長とともに少なくなっていきます。

生理現象

「鼻がぶーぶーいう」「眠っているときに呼吸が速い」「手足がぴくぴくする」「泣いた後やおっぱいを飲んだ後、ぜいぜい刷る」「しょっちゅういきむ」などもよくある心配です。どれもこれもこの時期の赤ちゃんに多く、生理的な現象です。また、「新生児黄疸」も多くの赤ちゃんにみられる生理現象です。生後1週間から10日くらいで消えるものですが、母乳の赤ちゃんの場合はもう少し長くなることもあります。1カ月検診の際に、小児科医に相談するといいでしょう。

体の機能

新生児期の赤ちゃんは、体温調節もじょうずではないので、室温は赤ちゃんに負担がかからないよう調節し、ウィルスや菌などの病原体に対する抵抗力も弱いので、大人が家庭に病原菌を持ち込まないよう気を付けます。風邪やウィルス対策には「帰宅したら手を洗う」効果的です。哺乳瓶を用いるときは消毒に気をつけましょう。

お母さんの体も大切に

多くの赤ちゃんは、まだ昼夜の区別がつきません。おなかがすけば泣き、おむつが濡れれば泣き、このころのお母さんは常に睡眠不足。カーテンの開け閉めだけで、目を覚ます赤ちゃんに、お母さんもお父さんも神経質になります。この時期の赤ちゃんは大体こんなペースなので、気負わず接してあげてください。赤ちゃんが眠っているときは、お母さんもできるだけ体を休めましょう。もちろんお父さんなどの家族の協力も不可欠です。遠慮なく、周りの人の力を借りてください。

お母さん自身の体も純分いたわることが必要な時期です。産後の回復が思わしくない、体調がどうもよくないというときは、1カ月検診を待たずに産婦人科を受診してください。体も心も、辛いときは一人で抱え込まないで、地域の保健センターや保健所の保健師よる、訪問指導や我々の個別相談などを利用して、育児の不安解消に役立ててください